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ルバーブの育て方

ルバーブの育て方を野菜栽培士が詳しく解説します。種まき適期や植え付け適期・収穫適期など栽培時期と土作り・種まき・苗作り・肥料の与え方・水やり方法・収穫までの栽培管理、病害虫対策など、画像と動画を使って丁寧に解説しています。

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ルバーブの育て方失敗しないルバーブ栽培のコツ


Contents Menu

  1. ルバーブの栽培難易度と育て方のコツ
  2. 栽培時期
  3. 育てやすい品種
  4. 栽培前に準備しておくこと
  5. 露地栽培の土作りと畝作り
  6. 種まき
  7. 間引き
  8. 苗の植え付け
  9. 栽培管理土寄せ(盛り土)敷き藁水やり 追肥
  10. 収穫
  11. 病害対策
  12. 害虫対策

栽培難易度と育て方のコツ

栽培難易度 ★★★☆☆

ルバーブは手間いらずの栽培管理が少ない野菜ですが、暑さと乾燥に弱いので夏越えがポイントです。一度植え付ければ数年間は収穫を続けられます。

ルバーブの栽培難易度と育て方のポイント


ルバーブはシベリア南部原産のタデ科の多年草で、一度植え付ければ5~6年は収穫を続けられます。

ルバーブの葉柄(茎の部分)には独特の香りと酸味があるのが特徴で、ジャムやゼリー・お菓子の原料として利用します。

ちなみに葉の部分はシュウ酸を多く含んでいるため食用には使えません。

ルバーブは原産地がシベリア南部ということもあり、適度な湿り気がある冷涼な気候で生育が進むため、夏場が冷涼な地域での栽培が向いています。

温暖地では普通に栽培すると収穫が3年目以降になるため、夏場の日差しと乾燥対策をしっかりと行って、うまく夏越しさせることがポイントになります。

栽培データ

科名 タデ科
別名 ショクヨウダイオウ・マルバダイオウ
草丈 30~50cm
連作障害 あり(1~2年)
適した場所 日がよく当たる風通しの良い場所
日当たり 🌞 or 🌤
土壌酸度 pH6.0~6.5
株間 50cm以上
発芽適温 18~22℃
生育適温 15~20℃
種まき時期 3月~4月
発芽日数 10日~15日
苗植え付け時期 4月~5月
収穫時期 種まきから約12か月


栽培時期

ルバーブの栽培時期は春~秋にかけてで冬越しもできます。種まきは3月~4月(苗の植え付けは4月~5月)で、収穫までは種をまいてから約12か月です。

ルバーブ栽培カレンダー

ルバーブの栽培カレンダー


育てやすい品種

ルバーブは国内の品種は海外の品種に比べると耐暑性や色合いで劣るものが多く、品質の良いものを選ぶことがポイントです。

ルバーブの育てやすい品種


ルバーブは葉柄の赤みが強いものほど、風味がよく品質がよいとされています。温暖地で栽培するときは「耐暑性」が高く「赤み」が強い品種を選ぶようにしましょう。

ルバーブのおすすめの品種は「スペシャルレッド」「レッドセレクト」「ビクトリア」「レッドルバーブ」「グラスキンズ」「パーぺチュアル」「マクドナルド」「マンモスレッド」などです。


プランターと土作り

ルバーブはプランター栽培と露地栽培が可能で、直まきとポットで育苗してから畑に移植する方法があります。

栽培前に準備しておくこと

ルバーブの栽培をはじめる前にしておくことは、プランター栽培では「プランターと栽培用土の準備」、露地栽培では「土作り」と「畝作り」などです。

ルバーブのプランター栽培


プランターの選び方

ルバーブ栽培で利用するプランターサイズは中型(60cm)以上のものを利用しましょう。1株植えなら10号サイズ以上の深型の植木鉢でも栽培ができます。

品種にもよりますが、中型サイズのプランター1つに対して1~2株程度の栽培が可能です。

ルバーブ栽培で使う用土


栽培に使う用土の種類

ルバーブ栽培で使う用土は市販の培養土を利用すれば土作りの必要がなく袋から開けてすぐに使えるのでとても便利です。

自分で用土を配合するときは、赤玉土(7):腐葉土(2):バーミキュライト(1)を混ぜたものを使いましょう。

そこに石灰を用土10Lあたり10~20gと化成肥料を用土10Lあたり10~20gを入れてよく耕しておきます。


プランターへの用土の入れ方

プランターや植木鉢の底には、水はけを良くするために赤玉土や鉢底石などを数センチほど敷き詰めておきます。

種から育てるときは淵から5cmほどの位置まで用土を入れ、苗から育てるときは根鉢の高さを考慮して用土を入れておきましょう。(根鉢を置いてから残りの用土を足します。)


ルバーブの土作りと畝作りのやり方


露地栽培の土作りと畝作り

土作りのやり方

ルバーブの露地栽培の土作りは種まき(苗の植え付け)の2週間前に終わらせておきましょう。苦土石灰100g/1㎡をまいて全体に混ざるように丁寧に耕しておきます。

種まき(苗の植え付け)の1週間前になったら、堆肥(2㎏/㎡)と化成肥料(100g/㎡)を畑の全面にまいて良く耕しておきましょう。

畝作りのやり方

ルバーブ栽培で作る畝は、畝幅は60cm(1条)~100cm(2条)で畝の高さは10~15cmの平畝です。


種まき

ルバーブは直まきとポットまきができます。どちらも発芽させるのは難しくありませんが、発芽適温外に種をまくときはポットまきをして温度管理しながら育苗する方が確実です。

ルバーブの種まき


ルバーブを種から育てる

発芽適温から大きく外れる時期は、ポットに種をまいて苗が植え付けに適した大きさになるまで育苗する方法がおすすめです。適温内なら直まきでも発芽が揃います。

種まき時期

ルバーブの種まき適期は、3月下旬~4月です。

発芽適温

ルバーブは18℃~22℃が発芽に適した温度です。

発芽日数

ルバーブは発芽適温内なら10日~15日で発芽が始まります。発芽適温から外れていると日数は前後します。

ルバーブの種まき方法


直まきのやり方(手順)

  1. 用土を平らにならします
  2. 水をたっぷりとかけて用土を湿らせます
  3. 瓶の底などを押し当ててまき溝をつけます。
  4. 1か所あたり4~5粒の種をまきます
  5. 用土を5~10mm被せます
  6. 指先で軽く押さえて用土と種を密着させます
  7. 種が流れ出ないように水やりをします

ポットまきのやり方(手順)

  1. 3号のポリポットに種まき用の培養土を入れます。
  2. 水をたっぷりとかけます。
  3. 1か所あたり3~4粒の種をまきます。
  4. 用土を5~10mm被せます。
  5. 指先で軽く押さえて用土と種を密着させます。
  6. 種が流れ出ないように水やりをします。

種まきのコツとヒント

  • 葉は食用にできないので点まきがおすすめです。
  • 覆土は適切な量を被せましょう。
  • 発芽までは風通しを良くして反日蔭で乾燥させないように管理しましょう。
  • 発芽までは日数がかかるので水切れに注意しましょう


間引き

ルバーブの間引きはタイミングよく行いましょう。間引きの時期が早すぎると苗が徒長して軟弱になり、遅すぎると抜き取るときに隣の根を傷める原因になります。

ルバーブの間引き


間引きの時期

ルバーブの間引きは合計で2回行います。1回目の間引きは本葉が出揃った頃で2本立てにします。2回目の間引きは本葉が2~3枚になった頃が目安の時期で、元気な苗を1本だけ残しましょう。

最終の株間

ルバーブの株の間隔は50cm以上です。

苗の間引き方

苗が抜けないように残す苗の根元付近を指で軽く押さえて、不要な苗の根元を掴んで手で抜き取りましょう。

間引きが遅れて隣り合う苗の根と絡まって抜けにくいときは、ハサミで根元から切り取ってもかまいません。


苗の植え付け

ルバーブを種から育てるのが難しいと感じたら、園芸店などで売られている苗を購入して育ててみましょう。苗からだと収穫まで簡単に辿り着けます。

ルバーブの苗の植え付け


良い苗の選び方

ルバーブは、節間が狭く茎が太く葉の緑の濃いもの、害虫や病害の被害に遭っていないものが良い苗です。本葉が3~4枚になったものが植え付けに適した苗の大きさです。


苗の植え付け時期

ルバーブの苗の植え付け適期は、4月~5月です。気温が高くなると生育が緩慢になるので、植え付け時期を守るのがポイントです。

生育適温

ルバーブは15℃~20℃が生育がもっとも良くなる温度です。

苗を植える間隔(株間)

ルバーブの苗を植える間隔は50cm以上です。

苗の植え方(手順)

  1. 根鉢より一回り大きな植穴を開けておきます。
  2. 根鉢を壊さないように丁寧に苗を取り出します。
  3. 穴の中に苗を入れます。
  4. 子葉が埋まらない程度に用土を入れます。
  5. 株元を軽く押さえて根と用土を密着させておきます。
  6. 水をたっぷりと与えます。

ルバーブの苗の植え方(手順)



栽培管理

土寄せ(盛り土)

ルバーブは根が地上に露出すると太陽光で根を傷めてしまい、生育不良の原因になってしまいます。タイミングよく株元に土を寄せておきましょう。

ルバーブの土寄せ(まし土)


土寄せのタイミング

水やりや降雨で用土は自然に減ってしまいます。根元周りの用土が減ってきたと感じたら土寄せをしましょう。

根が完全に露出すると株の生育に影響するので早めに土寄せするのがポイントです。

また食用になる茎の部分は軟化栽培することでより赤みが増して酸味も少なくなります。収穫の数週間前になったら、30cmほど盛り土をしておきましょう。

土寄せのやり方

株周りの固くなった用土の表面を軽くほぐしてから株元に寄せておきます。プランター栽培では新しい用土を足しましょう。


トンネル掛け

ルバーブの日差し対策には寒冷紗のトンネル掛けが有効です。

ルバーブのトンネル掛け


ルバーブは高温になると生育が緩慢になるので寒冷紗のトンネル掛けがおすすめです。日中の気温が高い時期はトンネルの裾をめくって風を通して温度が下げるようにしておきます。

11月以降から3月上旬までは低温で株の生育が悪くなり、また霜が降りると霜枯れの原因になるため、透明のビニール掛けに変更して霜対策と保温対策をしましょう。


マルチング(敷き藁)

ルバーブは地温の上昇と土壌の乾燥が苦手な野菜です。高温期になると生育が緩慢になるため、7月下旬~8月下旬までは敷き藁でマルチングをして乾燥を防止し、地温を下げてやりましょう。

ルバーブのマルチングのやり方


ルバーブは地温が高いと株の生育が悪くなります。

また、ルバーブは土壌の乾燥に弱い一面があるため、敷き藁のマルチングをすることで高温対策と乾燥対策ができます。

ルバーブ栽培では夏以降の雑草取りが大変になります。マルチングをすることで雑草対策にもなります。


水やり

ルバーブは成長にあわせて水やり方法を変えます。種まき後(苗の植え付け後)から約1週間程度はこまめに水やりをしますが、その後は用土の表面が乾いたタイミングで水やりをしましょう。

ルバーブの水やり


水やりの頻度

ルバーブは極度の乾燥を嫌います。用土の表面が乾いたときが水やりのタイミングです。

種まき後や苗の植え付け後の約1週間は、水切れにならないように用土の表面が乾いたタイミングでこまめに水やりをしましょう。

1回あたりの水やり量

プランター栽培では1回の水やりで鉢底から染み出るくらいたっぷりと与え、露地栽培では1株あたり1.5~2Lが目安です。表面だけでなく用土の中に染み込むまで与えましょう。

水やりのコツとヒント

  • 苗が小さいうちの水やりは苗が倒れないように丁寧に与えるのがポイントです。
  • ハス口の細かいものを使うか、ジョウロから出る水を手に受けて株と株の間に優しく水やりしましょう。
  • 初期段階で苗が倒れたり抜けたりすると、株の成長が遅れる原因になります。
  • 水の与えすぎは株を軟弱にして病害の要因になります。適量を心掛けましょう。


追肥

ルバーブの追肥は株の成長に合わせて与える肥料の種類と与える量を調整しましょう。ルバーブは根の先端からもっとも吸肥します。プランターの淵や、畝間や株と株の間に肥料をまいて表面の用土と混ぜ合わせておきます。

ルバーブの追肥


追肥のタイミング

ルバーブの追肥時期は、苗を植え付けてから約2週間後から、種から育てている場合は最後の間引きが終わった頃からスタートさせます。

その後は茎葉の状態を見ながら2週間に1回の頻度で与えましょう。葉が黄色くなったときや新葉が出なくなったときは肥料不足のサインです。

ルバーブは収穫を終えた冬越し前の11月頃と2月下旬頃も追肥のタイミングで、新芽が出始まる前に追肥を与えておきます。

与える肥料の種類

生育初期から収穫が終わるまでチッソ分の割合が多めの肥料を与えて茎葉を大きく育てます。

1回あたりに与える量

プランターの場合

1株あたり5~10gを与えましょう。用土全体に肥料をまいて軽くほぐしてから株元に土寄せしておきます。

薄めた液肥を1週間に1度のタイミングで水やりを兼ねて与えてもかまいません。

露地栽培の場合

1㎡あたり20~30gを与えましょう。株元の葉の広がりの下に肥料をまいて用土をほぐして株元に土寄せしておきます。

追肥のコツとヒント

  • 追肥のあとに水やりをすると、肥料が効果的に土にしみこんで吸肥の効率がよくなります。
  • 肥料の与えすぎは株が軟弱に育ってしまいます。適量を心掛けましょう。


収穫

ルバーブの収穫のタイミングや収穫の目安を知って、もっとも美味しい頃合いに収穫しましょう。

ルバーブの収穫


収穫時期(タイミング)

ルバーブは種まきから約12か月、苗の植え付けから約11か月で収穫適期を迎えます。

収穫のスタートは株が充実する2年目以降がおすすめですが、1年目から収穫するときは早め(6月下旬まで)に収穫をやめて、追肥をして株を大きくすることに努めましょう。

収穫に適した大きさ(見た目)

ルバーブの収穫時期を見た目で判断するときは、草丈が30~50cmになったときが収穫のタイミングです。

ルバーブの収穫時期と収穫方法


収穫方法

ルバーブは葉柄の長さが30~50cmになったものから外葉をハサミで切り取って収穫します。

葉にはシュウ酸が含まれていて食用にはできないため、葉の下で切り取って赤紫色の茎の部分を利用しましょう。

1度に1株から2枚程度に抑えて株の勢いを落とさないようにすることが収量を増やすポイントです。

ルバーブはいつ頃まで収穫できるの?

夏場はルバーブの生育が衰えるので収穫は8月中には終わらせましょう。それ以降は翌年に向けて株を充実させます。

ルバーブは晩秋になると地上部は枯れてしまいますが、冬越しすれば翌年の春にふたたび新芽が出ます。

5~6年経つと株が衰えて新芽が出なくなりますが、春先に株分けして別の場所に植え替えてやると、何度でも収穫を楽しむことができます。


病害対策

ルバーブにはさまざまな病害が発生します。病害の前兆を早く見つけることが大きな被害を防ぐことにつながります。早期の治療と再発防止対策をしっかりと行いましょう。

ルバーブの病害対策


ルバーブに発生しやすい病害の種類

ルバーブ栽培でよく見かける病害は「根腐れ病」「うどん粉病」「炭そ病」などです。

病害の予防

ルバーブが病害に掛かる主な原因は、日当たりが悪い、株元の葉が込み合って風通しが悪い、畑の排水性が悪く多湿になっている(または水やりが多い)などです。

ルバーブの病害の発生を予防するためには、多湿を避ける、日当たりのよい場所で育てる、適正な株間の確保を行う、用土を丁寧に耕して水はけの良い土壌作りを心掛けましょう。


害虫対策

収穫前に害虫の被害に遭うと収量に大きく影響します。害虫を見かけたら早期に駆除することが被害を最小限に抑えるポイントです。害虫対策をしっかりと行って、害虫の集まりにくい環境を目指しましょう。

ルバーブの害虫対策


ルバーブ栽培で見かける害虫の種類

ルバーブに発生しやすい害虫は、「ハムシ類」「アブラムシ類」「コガネムシ」などです。

害虫の予防と対策

害虫は大きくなる前や数が増える前に早期に駆除することが大切です。葉の裏もよく観察して卵や幼虫を見つけたらすぐに捕殺しましょう。

栽培時に出る残渣(落ち葉や枯葉)はこまめに撤去し、株元が込み合ったら摘葉して風通しを良くすることで、害虫の住処をなくすことができます。

ルバーブの苗が小さい時期のトンネル掛けや不織布掛けは、害虫の飛来を予防する上でかなり有効な方法です。

自分の畑だけを対策しても、周辺の無対策の畑や雑草地に囲まれている畑などから害虫は次々と飛来してくるからです。

害虫の数が増えて自力で駆除できなくなる前に、人体への影響が少ない薬剤を使うことも検討しましょう。


この記事の著者

べじっと(佐藤 陽子)|家庭菜園アドバイザー

淡路島で栽培歴25年の兼業農家。小さなベランダ菜園から始め、現在はお米の他、年間30種類以上の野菜を育てています。日本園芸協会「美味野菜栽培士」資格保有。野菜づくりの楽しさを多くの人に伝えるべく、初心者向けのYouTubeチャンネルも運営中。

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